BitcoinL2というムーブメントに警鐘を鳴らすHalborn
ブロックチェーンと仮想通貨の世界ではトレンドが次から次に生まれたり偽造されたりしていて慌ただしいですが目下、次のトレンド候補に仕立て上げられようとしているのが #BitcoinL2 です。 その潮流に乗った(もしくは作ろうとしている)CoinTelegraphの記事に、ブロックチェーン監査法人のHalborn社公式アカウントがRepostをつけて警鐘を鳴らしています。Deepl翻訳を引用しておきます。“These networks can introduce additional points of vulnerability and potential centralization not present in the main chain.” - our COO @dschwed on @Bitcoin L2s via @Cointelegraph 🗞️
— Halborn (@HalbornSecurity) June 13, 2024
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"これらのネットワークは、メインのチェーンには存在しない脆弱性と潜在的な中央集権化の追加のポイントを導入することができます。" - 弊社COO @dschwed が@Bitcoin L2sについて via @Cointelegraph 🗞️つまり、「これら(引用元記事にあるBitcoinL2sですね)は本来BTCチェーンには存在しない脆弱性と中央集権化を齎す可能性がある」とHalborn社のCOOが警告しているのです。 当ブログでも再三書いていることなのですが、Bitcoin/BTCチェーンは「最初の」ブロックチェーンなので、後に出現したEthereum以降のチェーンと違ってプラットフォーム機能やスマートコントラクトを有しません。 そこに強引に、EthereumのL2のようにecosystemを構築しようとするところに無理があるのです。 それでも、開発者は其処に巨大な見返り(Bitcoinのブランドは強大であり、そこに連なることができたプロジェクトは成功が約束されます)があるので無理矢理にでも規格化したいですし、標準化したいと考えていて、それらのプロジェクトが今回持ち上げられて、また警告されているBitcoinL2sというムーブメントです。
具体的には、Stacks/Rootstock/Botanix/Sovereign Rollups/Babylonあたりのプロジェクトです。 これらは上で書いた通り、無理矢理BitcoinチェーンのL2になろうと試みているので、Halborn社のCOOが思わず警告してしまうようなリスクをBitcoinチェーンに付加してしまう危険な取り組みです。 これらのプロジェクトの発起点は金儲けですから、どんな災厄がBTCに降り掛かっても、己の利益さえ確保できれば構わないというスタイルなので、ビットコイナーにとっても仮想通貨ファンにとっても迷惑な存在にしかならないでしょう。(既に昨年と今年に偽造されたムーブメントBRC-20/Runesでご存知の通り、瞬間的な利益を生む可能性はあるので、それが欲しい層にとっては悪くないのかもしれませんが、Bitcoinは堅牢な安全性こそが売りであってそれを毀損するような試みは認められるべきではありません。)
Bitcoinを優しく支える試み
無理矢理関係を作ろうとするBitcoinL2とは違う発起点でスタートしたプロジェクトはないのかと言えば、あるのです。Bitcoinはご存知の通り、Proof of Work 略してPoWというコンセンサスアルゴリズムでブロック生成を行っています。近10年でこのPoWというプロセスに必要な膨大な電力消費が環境問題的に悪者扱いを受けており、そのような中でコンセンサスアルゴリズムのトレンドはPoSに移ってしまいました。 PoWには実際にコンピューティングパワーを使ってマイニングを行うマイナーが必要であり、その演算を行う際に膨大な電力を必要とします。最も価格評価を受けている仮想通貨Bitocoinは当然、そのマイニングの中でも最高度のコンピューティングパワーを保有するBTCマイナーの演算によってブロック生成が行われていますので、暗号強度も強力ですが必要電力と必要なコンピューティングパワー(単位はハッシュレートというもので表されます)も膨大です。15年前の黎明期は個人の所有するPCでもマイニングが可能な水準でしたが、現在は専業のマイニング企業による非常に多くの専用マシンを運用しないとブロック生成に成功することが難しくなっています。 2022年のレンディング企業Genesisの破綻やLUNAショックによってBTCマイナーの収益性が極端に落ち込み、当時のBTCマイニングでシェア1位だったCore Scientific社などの大手が破綻して業界の再編が行われました。その後、AIの躍進でAIのトレーニングや実働に必要なコンピューティングパワーがマイニング企業の持つマイニングリグにも波及して、マイナーは更に再編が進みました。 現在、BitcoinもAIもそれに関わる仮想通貨は価格表化が進み、BTCに至っては72,000から65,000あたりのレンジで取引されているのが現状です。
つまり、Bitcoinは有用だと評価されているわけです。
それを生み出しているのはBitcoinチェーンのブロック生成であって、その役割を負っているのがBTCマイナーです。そのBTCマイナーは膨大な電力を消費して演算を行い、ブロック生成をしてその報酬としてBTCを受け取っています。これらはどれか一つでも欠けたら成り立たないサイクルです。よって、環境問題的にPoWを悪者扱いしたことは短絡的に過ぎたと言えるでしょう。そして、銀取引の時価総額を超えてしまうレベルまで大きな価値を含んでしまったBitcoinはサステイナブルでなければなりません。
その命題を満たすには、BTCマイナーを強くすることです。
この視点に立って開始されたプロジェクトが既にローンチしているのは世界的にはまだしも、国内的には余り知られていないのが残念です。
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