新興ブロックチェーン
EthereumやBNB、Solanaなどの主流チェーンは日常使いでその特徴やユースケースは理解できていても、それら以外の新興チェーンとなるとuserごとブロックチェーンの利用状況によって理解度に差が出てきます。今回はそういった新興チェーンの中でCoreチェーンと競合しそうな各チェーンをまとめてみます。
以下で、Aptos、Sui、Arbitrum One(Ethereum L2)、opBNB(BNB L2)、Base(Ethereum L2)と、その他の主要なL2ソリューション(L2ソリューションは、Ethereumのスケーラビリティ問題を解決するために開発された技術で、各ソリューションには独自の特徴と利点があります。例えば、zkSync、StarkNet)を比較してみましょう。
L1チェーン
Core
仕様: 高いスループットと低レイテンシを提供するPoSブロックチェーン。
エコシステム: DeFi、NFT、ゲームなど多様なdAppをサポート。
Aptos
仕様: Moveプログラミング言語を使用し、高速でスケーラブルなPoSブロックチェーン。
エコシステム: DeFiプロジェクトやNFTマーケットプレイスが中心。
Sui
仕様: Move言語を使用し、特にゲームやメタバース向けに設計されたPoSブロックチェーン。
エコシステム: ゲーム、NFT、DeFiなどで活発に開発。
L2チェーン
Arbitrum One
仕様: Optimistic Rollup技術を使用し、Ethereumのスケーラビリティを向上。
エコシステム: Aave、Curve、1inchなどの主要DeFiプロジェクトをサポート。
opBNB
仕様: Binance Smart ChainのL2ソリューションで、Optimistic Rollup技術を使用。
エコシステム: PancakeSwap、Venus、AutofarmなどのBSC上の主要DeFiプロジェクトをサポート。
Base
仕様: Coinbaseが開発したEthereumのL2スケーリングソリューションで、Optimistic Rollup技術を使用。
エコシステム: Aave、Algebra、Aerodrome FinanceなどのDeFiプロジェクトをサポート。
他の主要なL2ソリューション
zkSync
仕様: zk-Rollup技術を使用し、トランザクションの効率性とセキュリティを向上。
エコシステム: DeFi、NFT、ゲームなど多様なdAppをサポート。低いガスコストが特徴。
StarkNet
仕様: zk-Rollup技術を使用し、高いセキュリティとスケーラビリティを提供。
エコシステム: DeFiプロジェクトを中心に成長中。
比較まとめ
Optimistic Rollup vs zk-Rollup: Optimistic Rollup(Arbitrum One、opBNB、Base)は、トランザクションの検証を後回しにすることで高速性を優先します。
一方、zk-Rollup(zkSync、StarkNet)は、ゼロ知識証明技術を使用して高いセキュリティとスケーラビリティを実現します。
エコシステムの成熟度: Arbitrum OneやzkSyncは、既に多くの主要DeFiプロジェクトをサポートしており、エコシステムが成熟しています。BaseやopBNBも急速に成長中です。
用途と特化分野: Suiは特にゲームやメタバース向けに設計されており、AptosはMove言語を活用した新しいdAppの開発が進んでいます。
参考
Ethereumを除いたチェーンでecosystemを拡大してブロックチェーン全体にトレンドを作り出している2つのチェーン、SolanaとTONについても触れておきます。
Solanaチェーン
仕様: トランザクション速度: Solanaは1秒あたり数千のトランザクションを処理できる高性能ブロックチェーンです。
手数料: トランザクション手数料は非常に低く、通常は$0.0025以下です。
コンセンサスアルゴリズム: Proof of History (PoH)とProof of Stake (PoS)を組み合わせた独自のアルゴリズムを使用しています。
エコシステム: 分散型金融 (DeFi): Solanaは多くのDeFiアプリケーションをサポートしており、RaydiumやSerumなどのプロジェクトが存在します。
NFT: Solana上では多くのNFTマーケットプレイスが運営されており、アーティストやクリエイターが活発に活動しています。
開発者コミュニティ: Solanaの開発者エコシステムは成長を続けており、毎月2500人以上のアクティブな開発者が参加しています。
TONチェーン
仕様: トランザクション速度: TONは超高速なトランザクション処理を実現しており、シャーディング技術を採用しています。
コンセンサスアルゴリズム: Proof of Stake (PoS)を採用しており、エネルギー効率が高いです。
スケーラビリティ: マスターチェーン、ワークチェーン、シャードチェーンの3つのレベルで構成されており、スケーラビリティ問題を改善しています。
エコシステム: Telegram連携: TONはTelegramのエコシステムと統合されており、ウォレットの作成やアプリ内購入がシームレスに行えます。
分散型アプリケーション (dApps): TONエコシステムには、ウォレット、DEX、借入プロジェクトなど、551個のアプリが存在します。
コミュニティ: TONの月間アクティブウォレット数は540万以上に急増しており、活発なコミュニティが形成されています。
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