_111f23d6-62a9-48e4-b980-0d6873459385今回は、このブログの主題でもある「ブロックチェーン」と「仮想通貨」について、その関係性をコンピューターにおける「OS(オペレーティングシステム)」と「プログラム」に例えて、分かりやすく解説していきたいと思います。
ブロックチェーンが何であるのかを理解することは非常に重要だと私は考えていて、さまざまな記事で触れてきましたがなかなか思うような説明が出来ていませんでした。ブロックチェーンを国に喩えたり >>【過去記事: とあるCoreチェーン信奉者の独白】、 異世界転生譚 >>【過去記事: 寓話としての「Blockchainへオンボード」】になぞらえてみたりして説明してみましたが、その真意が伝わったかどうかは微妙なところです。

今回は思い切って、極めて簡略化して書いてみようと思います。

1. ブロックチェーンは「OS」のようなもの

まず、ブロックチェーンとは一体何なのでしょうか?
簡単に言うと、ブロックチェーンは「分散型台帳技術」であり、「データを安全に記録し、管理するための仕組み」です。これをコンピューターに例えるなら、まるでOS(オペレーティングシステム)のような存在だと言えます。

私たちの普段使っているパソコンやスマートフォンには、WindowsやmacOS、iOS、AndroidといったOSが搭載されていますよね。OSは、ハードウェアを動かし、その上で様々なアプリケーション(プログラム)が動作するための土台を提供しています。

ブロックチェーンもこれと同じで、データを記録・管理するための「土台」であり、その上で様々な「プログラム」が動作するための基盤を提供しているのです。特徴としては、中央集権的な管理者が存在せず、ネットワークに参加する多数のコンピューターによってデータが共有・検証されるため、非常に高い透明性耐改ざん性を持っています。

ブロックチェーンはひとつではなく、様々なブロックチェーンが存在します。BitcoinチェーンやEthereumチェーン、BNB(旧BSC)チェーンやSolanaチェーン、実際に稼働しているブロックチェーンだけでも数百以上存在します。


2. 仮想通貨は「OS上で動くプログラム」のようなもの

では、仮想通貨はどこに位置づけられるのでしょうか?
仮想通貨、例えばビットコインやイーサリアムは、このブロックチェーンという「OS」の上で動作する「特定のプログラム」のようなものと考えると理解しやすいでしょう。

OSであるWindowsの上でMicrosoft WordやGoogle Chromeといったアプリケーションが動くように、ブロックチェーンという土台の上で、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨が発行され、取引されています。

仮想通貨は、そのブロックチェーンネットワーク内で、価値を移転するための手段として機能します。例えば、ビットコインのブロックチェーン上では、ビットコインというデジタルな通貨がP2P(Peer-to-Peer)で送金・受取され、その取引履歴がブロックチェーン上に記録されます。

まとめると、

  • ブロックチェーン:データを安全に記録・管理する「土台(OS)」
  • 仮想通貨:そのブロックチェーン上で価値の移転などを行う「特定の機能を持つプログラム」

という関係性になります。仮想通貨はブロックチェーンがなければ存在しえませんし、ブロックチェーンも仮想通貨によってその価値や用途が広がっていると言えるでしょう。


3. ブロックチェーンは「ワールドコンピューター」?!オンチェーンで動くdAppsとトークン

さらに一歩踏み込んで、近年ではブロックチェーンを「ワールドコンピューター」と捉える考え方も広まっています。これは、従来のコンピューターが特定の組織や個人によって管理されているのに対し、ブロックチェーンは世界中のコンピューターが協調して動作し、巨大な分散型のコンピューターとして機能するという概念です。Ethereumの共同創設者であるVitalik Buterinが唱える概念なので、トラディショナルなL1ブロックチェーンを信じる層には響く考え方です。

この「ワールドコンピューター」の上で動くプログラムが、「dApps(分散型アプリケーション)」です。

dAppsとは、Decentralized Applicationsの略で、中央集権的なサーバーに依存せず、ブロックチェーン上で直接動作するアプリケーションのことを指します。私たちが普段使っているスマートフォンのアプリが中央のサーバーと連携しているのに対し、dAppsはブロックチェーンそのものを利用してサービスを提供します。

例えるなら、従来のアプリが特定の会社が提供するコンピューター上で動くのに対し、dAppsは「世界中の誰でもアクセスできる、巨大な共通のコンピューター(ブロックチェーン)」上で動く、というイメージです。

dAppsの大きな特徴は以下の通りです。

  • 透明性:プログラムの実行履歴やデータがブロックチェーン上に公開され、誰でも検証可能。
  • 耐検閲性:中央集権的な管理者がいないため、特定の個人や組織によってサービスが停止されたり、データが改ざんされたりすることが極めて困難。
  • 可用性:ネットワーク全体でデータが共有されているため、単一障害点が存在せず、サービスが停止しにくい。

例えば、イーサリアムというブロックチェーンは、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムを実行できる機能を持っており、このスマートコントラクトを利用して、様々なdAppsが開発されています。DeFi(分散型金融)サービスやNFTマーケットプレイスなどがその代表例です。

dAppsと「トークン」の関係

多くのdAppsは、そのアプリケーション内で使用される独自の「トークン」を発行しています。このトークンは、そのdAppsの経済圏を支える重要な役割を担っており、大きく分けて以下の2種類があります。

  1. ユーティリティトークン(Utility Token)

    • 役割:dAppsのサービスや機能を利用するための「利用券」や「燃料」のようなものです。例えば、ゲーム内でアイテムを購入したり、取引手数料を支払ったり、特定の機能にアクセスするために使用されます。イーサリアムのETHも、dAppsのガス代(手数料)として使われるため、ユーティリティトークンの代表例と言えます。
    • :分散型取引所(DEX)で取引手数料として使われるトークン、ブロックチェーンゲームでキャラクターを強化したり、アイテムを生成したりするために使われるトークンなど。
  2. ガバナンストークン(Governance Token)

    • 役割:そのdAppsやプロジェクトの運営方針、機能追加、手数料体系の変更など、重要な意思決定に参加するための「投票権」のようなものです。トークンを保有しているユーザーは、その保有量に応じて投票権を持ち、プロジェクトの将来に影響を与えることができます。これは、DAO(分散型自律組織)の概念と密接に結びついています。
    • :DeFiプロトコルの運営方針を決定する際に投票権として使われるトークン、新しい機能の実装に関する提案に賛成・反対を表明するためのトークンなど。

これらのトークンは、dAppsの利用を促進し、ユーザーにインセンティブを与えることで、その経済圏を活性化させる役割を担っています。ユーザーは、dAppsを利用することでトークンを獲得したり、トークンを保有することで特典を受けたり、プロジェクトの運営に参加できるようになったりします。これにより、従来のWebサービスでは難しかった「ユーザーがサービスの価値創造に貢献し、その恩恵を受ける」という新しい形の経済圏が生まれています。これが「トークンエコノミー」の概念です。
問題は、トークンのみが注視されてしまいがちでその実相と言って過言ではないブロックチェーンが軽視されがちな点です。具体例で言えば、ブロックチェーンとしてのありようが全く見えていない(Mainnetがユーザーからは見えない)チェーンのネイティブトークンが投機やギャンブルとして独り歩きして、ユースケースのある実態が存在するブロックチェーンが存在しないのに仮想通貨取引所で売買されてしまうような事例が往々にしてあります。最近で言うとPi Networkがそういった危ういトークンですね。


まとめ

ブロックチェーンは、単なる仮想通貨の基盤技術に留まらず、私たちの生活やビジネスを大きく変える可能性を秘めた「次世代のOS」のような存在です。そして、その上で動く仮想通貨やdApps、そしてそれらを支える様々なトークンは、インターネット以来のパラダイムシフトをもたらし、「ユーザー主導の新しい経済圏」を築こうとしています。
重要なポイントは、実体のあるブロックチェーンを選択することであり、そういったブロックチェーンのネイティブトークンを選択し、そのチェーンのオンチェーントークンを選択することがラグプルなどのSCAMから身を守ることになるということです。