ブロックチェーン系統別リスト この記事は、Bitcoin・Ethereum・Solana・Cosmos・Move系などの技術的ルーツ別に、主要なブロックチェーンを体系的に整理する基幹ハブページです。L1だけでなく、Ethereum Rollup、Bitcoin L2、モジュラーDA、SVM系L2、並列EVM L1、プライバシー特化チェーンまでを網羅し、2026年時点の「稼働中チェーン」と「終了・移行チェーン」を明確に区分します。
系統化には判断が分かれるケースがありますが、原則として各プロジェクトの公式な位置づけ・アーキテクチャ・移行発表を採用しています。開発やユースケースが実質停止したチェーンは、稼働中リストには載せず、§9で「現状:終了/移行」として明示します。
当ブログのシリーズ記事「L1チェーン紹介」で解説済みのチェーンについては、該当記事へリンクします。

情報基準日:2026年10月10日/本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。各チェーンの状況は変化が速いため、最新情報は公式発表をご確認ください。
分類の考え方:§1〜§5と§8は「技術的ルーツ」による分類、§6(並列EVM)と§7(プライバシー)は系統を横断する「テーマ」による分類です。そのため、同じチェーンが複数の節に登場する場合は、主分類の節に詳細を書き、他の節では参照のみとしています。

マルチチェーン・ランドスケープ概観【2026年10月】 上段にBitcoin・Ethereum・Move・Solana・Cosmos・並列EVMのL1系統、中段にプライバシー系統と独自系統群、下段にL2・拡張層、最下段に終了・移行したチェーンを示した概観図。 マルチチェーン・ランドスケープ概観【2026年10月】 L1基盤 × L2拡張 × モジュラー構成 × プライバシー技術 主要レイヤー1(L1基幹チェーン群) Bitcoin系統 UTXO / PoW Ethereum系統 EVM / Rollup Move系統 Aptos / Sui Solana系統 PoH / SVM Cosmos系統 IBC / AppChain 並列EVM Monad / Sei プライバシー系統(テーマ横断) Zcash / Monero / Secret / Aztec / Railgun 独自系統群 TON / Polkadot / Cardano / Tron / XRP / Ronin スケーラビリティ&エコシステム拡張層(L2 / 関連チェーン群) Bitcoin L2 / BTCfi Stacks / Merlin Rootstock / Babylon (CoreはL1) Ethereum Rollups / EVM L2 Arbitrum / Base / Optimism Unichain / Mantle / Linea Scroll / Taiko / Ink / MegaETH モジュラーDA Celestia EigenDA Ethereum blobs SVM L2 Eclipse Sonic SVM (Solana系) Privacy L2 Aztec Railgun 🪦 終了・移行:Diem/Terra・UST/Fantom Opera→Sonic/Polygon zkEVM/Blast/Abstract

※スマートフォンでは図の文字が小さくなるため、直下の比較表と§9の表もあわせてご覧ください。


📊 ブロックチェーン系統別 特徴・最新動向一覧

2026年のブロックチェーン市場は、単なる「L1対L2」ではなく、Ethereum Rollupの集約化、Bitcoin L2によるBTCfi、並列EVM L1、モジュラーDA、プライバシー技術、Telegram等のWeb2統合という複数の軸で再編が進んでいます。Ethereum L2ではArbitrum・Base・Optimismが中心であり、Unichain・Mantle・Scroll・Linea・Taiko・Ink・Soneiumなども独自の差別化を進めています。

系統区分 主要モデル / 言語 コアバリュー 2026年の最新トレンド・主戦場
1. Bitcoin系統 UTXO / Script 絶対的な分散性と堅牢なセキュリティ BTCを担保・決済資産として活用するBTCfi、Bitcoin L2/Orbitチェーン、ステーキング・DeFi統合
2. Ethereum系統 EVM / Solidity 最大級のデベロッパー基盤と流動性 Arbitrum・Base・Optimism中心への集約、ZK Rollupの実用化、Unichain・MegaETH等の新L2台頭、L2淘汰の進行
3. Move系統 オブジェクト指向 / Move 資産の型安全な管理と並列実行 Aptos・SuiのDeFi・ゲーム・RWA、MoveVMの実用インフラ化
4. Solana系統 SVM / Rust 高速・低コスト・並列実行 DePIN、決済、ミーム・消費者向けアプリ、SVMのEthereum L2展開
5. Cosmos系統 IBC / Cosmos SDK 主権性と相互運用性の両立 金融特化AppChain、モジュラーDA連携、並列EVMとの融合
6. 並列EVM系統(テーマ) EVM互換 / 並列実行 EVM資産性を保ちつつSVM級の処理性能を目指す Monad、Sei v2、MegaETHなどが、高TPS・低レイテンシの実装競争を展開
7. プライバシー系統(テーマ) zk-SNARK / RingCT / Stealth Address 取引の機密性・送金元・残高の秘匿性 Zcashの選択的開示、Moneroの強制プライバシー、Aztec等のプライバシーL2、規制対応が焦点
8. 独自系統群 各種独自エンジン 決済・SNS・エンタメ等への特化 TONのTelegram統合、XRP Ledgerの決済、Polkadot・Cardanoの独自エコシステム維持

📜 1. Bitcoin系統(UTXOモデル)

BitcoinのUTXOモデルとPoWを基礎とする系統です。Bitcoin自体は決済・価値保存の中核であり、スマートコントラクトやDeFiはLightning Network、Stacks、Rootstock、Core、MerlinなどのL2/サイドチェーン/Orbitチェーンが担います。

※「Bitcoin Orbitチェーン」は、BTCfi領域でBitcoinのセキュリティを利用するチェーン群を指す呼称です。Arbitrumの「Orbit」(L3構築フレームワーク)とは別の概念です。

特徴

  • UTXOモデル: 未使用アウトプットを追跡する方式で、検証の明確さと並列処理に強みがあります。
  • 最高クラスのセキュリティ: PoWによる長期にわたる稼働実績と分散性が最大の価値です。
  • BTCfiの拡大: BTCを担保資産・利回り資産として扱うL2、ステーキング、DeFiが2026年も主要テーマです。

主要チェーン


🤖 2. Ethereum系統(EVM / Rollup)

EVMを中核とする最大のスマートコントラクト系統です。2026年のEthereumは、L1のセキュリティと中立性を保ちながら、実行処理をRollupへ委ねる「モジュラー型」構造が定着しています。L2市場ではArbitrum・Base・Optimismが中心であり、ZK系ではzkSync Era、Linea、Scroll、Starknet、Taikoが競争を続けています。

特徴

主要L1

  • Ethereum(ETH) — PoS移行後も、Rollupの決済・データ可用性・紛争解決の基盤として機能。

主要L2(ロールアップ)

【重要前提】2026年のEthereum L2市場は、チェーン数の増加から選別・集約の局面へ移行しつつあります。BlastやAbstractの閉鎖が示すように、L2が生き残るには実需・持続可能な収益構造・差別化されたセキュリティ/UXが不可欠です(閉鎖済みのL2は§9に集約しています)。
>>【2026年L2淘汰】Blast・Abstract閉鎖が示す「勝者総取り」の行方 ― 持続可能性の3条件と投資戦略

※上記のL2は、Stage(L2BEAT基準)・TVS・稼働状況が日々変化します。投資・利用の判断には、必ず最新のL2BEAT等の公開データをご確認ください。

その他EVM互換L1

  • BNB Chain(BNB): Binance系の主要EVM L1。CEX連携と小口ユーザーの流入が強み。
  • Avalanche(AVAX): サブネットによるカスタムチェーン展開を強みとするL1。
  • Sonic(S/Sonic Labs): 旧Fantom(FTM)の後継となる高性能EVM L1。旧Fantom Operaメインネットは2026年6月30日に永久シャットダウンされ、Sonicへの移行が最終化されています。なお、Solana系の「Sonic SVM」とは別プロジェクトです。
  • Berachain(BERA): Cosmos SDKを基盤とするEVM互換L1。Proof of Liquidityを掲げ、2025年2月にメインネットを開始しました。
  • Haven1(H1): 規制準拠・実名性・コンプライアンスを重視するEVM互換L1。
  • Monad・Sei v2: 並列EVM L1のため§6で解説します。

🏛️ 3. Move系統(Diem思想 / Move言語)

Meta社の旧Diem(Libra)プロジェクトから派生した技術・思想を継承する系統です。Move言語による資産の型安全な管理、並列実行、オブジェクト指向的な状態管理が共通テーマです。

特徴

  • Move言語: デジタル資産の所有権・アクセス制御を言語レベルで厳格に扱えます。
  • 並列処理: 状態競合を抑えた並列実行により、高スループットを実現します。
  • 実用領域: DeFi、ゲーム、NFT、RWA、決済など、資産整合性が重要な領域に強みがあります。

主要チェーン


⚡ 4. Solana系統(PoH / SVM)

Proof of History(PoH)とSVM(Solana Virtual Machine)を基盤とする高性能系統です。単一のグローバルステートで高速処理を行う設計であり、決済、DePIN、ミーム、消費者向けWeb3アプリの主要基盤となっています。

特徴

  • Proof of History: イベント順序を暗号学的に証明し、バリデータ間の合意形成を高速化。
  • 並列実行: SVMにより、競合しないトランザクションを並列処理できます。
  • SVMの外部展開: Eclipseのように、SVMを実行層としつつEthereumを決済層とするL2も登場しています。

主要チェーン


🌌 5. Cosmos系統(IBC / AppChain)

「ブロックチェーンのインターネット」を掲げ、IBCによる相互運用性とAppChainの主権性を両立させる系統です。2026年は、金融特化AppChain、モジュラーDA、並列EVMとの融合が重要テーマです。

特徴

  • Cosmos SDK: 独自チェーンをモジュール単位で構築できるフレームワーク。
  • IBC: 異なるCosmos系チェーン間でトークン・データを送受信する標準プロトコル。
  • AppChain: 各チェーンが独自のトークン、ガバナンス、バリデータ群を持ちながら連携します。

主要チェーン

  • Cosmos Hub(ATOM): エコシステムの中核ハブ。
  • Celestia(TIA): データ可用性に特化したモジュラーDA層。
  • dYdX Chain: 永久先物取引に特化したAppChain。
  • Injective(INJ): 金融・オンチェーン取引に特化したL1。
  • Osmosis(OSMO): Cosmos系DEXの中核。
  • Noble: Cosmos系におけるステーブルコイン発行・流通を担うAppChain。
  • Sei v2(SEI): Cosmos系技術を基盤とする高速取引向けL1。並列EVMの観点から§6で解説します。

🚀 6. 並列EVM系統(2026年の新主戦場)

従来はSolana系やMove系が担ってきた「並列実行・高TPS・低レイテンシ」を、EVM互換性を保ったまま実現しようとするテーマ別の系統です。MonadやSei v2が独立L1として、MegaETHがEthereum L2として競争しています。

主要チェーン

  • Monad(MON): 並列EVM L1。2025年11月24日にメインネットを開始し、2026年には300ミリ秒ブロック・600ミリ秒ファイナリティへの更新が発表されています。
  • Sei v2(SEI): Cosmos系技術を基盤としつつ、並列EVMを採用した高速取引向けL1。
  • MegaETH: Ethereum L2として、リアルタイム性・低レイテンシ・高TPSを追求。2026年2月にパブリックメインネットを開始しました。
  • Aptos・Sui: 厳密にはMove系(§3)ですが、並列実行という共通課題で並列EVM系と競合します。

🕶️ 7. プライバシー系統(Zcash・Monero・Aztec)

プライバシー系統は、送金額・送金元・残高などの機密情報を保護することを目的とするテーマ別の系統です。なお、ZcashやDashはBitcoinのコードベースから派生した出自を持ちます。日本では、2018年以降、Monero(XMR)・Zcash(ZEC)・Dash(DASH)等が登録暗号資産交換業者で事実上取り扱われていません。これは法令による明文の禁止ではなく、審査・自主規制上の扱いによるものですが、2026年もこの状況は続いています。

技術的アプローチ

  • zk-SNARK: 取引の正当性を証明しつつ、詳細情報を隠すゼロ知識証明。
  • Ring Signature / RingCT: Moneroが採用する、送金者・受取人・金額を秘匿する仕組み。
  • Stealth Address: 受取人ごとに一時的なアドレスを生成し、アドレスの関連性を断ちます。
  • 選択的開示: Zcashのように、必要な場合のみ取引詳細を監査者へ開示できる設計。

主要チェーン・プロトコル

  • Zcash(ZEC): zk-SNARKを用いるプライバシー重視のBitcoin系派生チェーン。透明アドレスとシールドアドレスを選択できる「選択的プライバシー」が特徴です。

    【Zcash最新動向】Zcashは、Grayscale ETF上場とNU7アップグレードによる「25秒ブロック化」により、プライバシー技術と機関投資家アクセスの両面で注目を集めています。ZEC暴騰の背景とNU7の技術的意味は以下で詳解しています。
    >>Zcash(ZEC)暴騰の深層:Grayscale ETF上場とNU7「25秒ブロック化」の全貌

  • Monero(XMR): リング署名・ステルスアドレス・RingCTにより、既定で強いプライバシーを実現するPoW系チェーン。日本の登録取引所では取り扱われていません。
  • Dash(DASH): CoinJoin(旧PrivateSend)機能を持つ決済志向チェーン。日本ではプライバシーコインとして、登録取引所での取り扱いがありません。
  • Secret Network(SCRT): スマートコントラクト内のデータを暗号化する「プライバシー・スマートコントラクト」を掲げるCosmos系チェーン。
  • Aztec: Ethereum上のプライバシー志向L2/zk技術スタック。アカウント・取引・資産の秘匿性をZKで実現することを目指します。
  • Railgun: Ethereum系チェーン上で、既存ウォレットやDeFiと組み合わせられるプライバシープロトコル。
  • Tornado Cash: Ethereum上のミキサー。米国財務省の制裁対象となり、規制・法務上の争点となった代表的プロトコルです(2025年3月に制裁対象から削除)。技術的にはZKプライバシーの先駆例です。

【プライバシーと自己主権の接点】MoneroやZcashは、単なる「匿名送金手段」ではなく、Self Sovereign Identity(SSI)やデータ主権の議論と接続する技術領域です。2026年の規制環境下で、なぜプライバシーコインが再評価されるのか、その理論的背景と将来性は以下で解説しています。
>>Self Sovereign Identity(SSI)とは?Monero・Zcashの将来性と2026年規制時代にプライバシーコインが選ばれる理由

規制上の注意

  • 日本では、Monero・Zcash・Dash等の匿名性強化型暗号資産は、登録交換業者による取り扱いが事実上ありません。
  • プライバシー技術そのものは、企業の機密取引、個人データ保護、RWAのコンプライアンス設計など正当な用途を持ちます。
  • 2026年は「完全な匿名性」よりも、選択的開示・監査可能性・コンプライアンス統合を備えたZKプライバシーが主流になりつつあります。

🌐 8. その他独自系統

特定のユースケース、独自の合意形成、独自の分散台帳技術を持つ系統です。2026年においても、決済・SNS統合・企業利用・コミュニティ駆動型の領域で独自の存在意義を保っています。


🪦 9. 終了・移行・大幅縮小したチェーン【2026年最新】

ブロックチェーンは「一度始まれば永久に続く」わけではありません。資金・開発者・ユーザーが集まらないチェーンは、統合・移行・シャットダウンへ進みます。以下は、本ハブで扱う際に現状を必ず区別すべき主要プロジェクトです。

プロジェクト 現状 時期 詳細 関連記事
Diem / Libra 開発中止 2022年 Meta主導のグローバルステーブルコイン構想は中止。技術・人材はAptos、Sui、Linera等へ分散しました。 §3 Move系統
Terra / LUNA・UST 旧エコシステム崩壊 2022年5月 USTのデペッグとLUNA暴落後、Terra ClassicとTerra 2.0に分離。旧DeFiエコシステムは実質的に終焉しました。 —
Fantom Opera(FTM) シャットダウン → Sonicへ移行 2026年6月30日 Fantom Operaメインネットは永久停止。後継は高性能EVM L1のSonic(Sonic Labs)です。 §2 その他EVM互換L1
Polygon zkEVM シャットダウン 2025年6月サンセット発表/2026年7月1日停止 戦略はPolygon PoSとAggLayerへ集約されました。 Polygon戦略の解説記事
Blast 閉鎖 2026年 ネイティブイールド戦略で一時拡大したものの、インセンティブ終了後の持続性を確保できず閉鎖へ至りました。 Blast閉鎖の全軌跡
Abstract 閉鎖 2026年 消費者向け・クリエイター経済を狙ったL2でしたが、実需と収益構造の確立に至らず終了しました。 L2淘汰の解説記事
小規模Ethereum Rollup群 統廃合が進行 2026年 Arbitrum・Base・Optimismへの集約が進み、差別化できない中堅Rollupは閉鎖・統合・運用縮小の圧力が強まっています。 §2 主要L2

💡 関連ハブ:日本国内のブロックチェーン実用化最前線


🔗 公式リンク・参考リソース

🕒 更新履歴

  • 2026-10-10:全面リライト。並列EVM系統・プライバシー系統・終了/移行チェーン(§9)を新設。Blast・Abstract閉鎖、Polygon zkEVM停止、Fantom Opera→Sonic移行を反映。
  • 2026-06-13:前回更新。

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📚️ ブロックチェーンの基礎知識