CoreDAOの「Core Stake」に関する技術解説。Satoshi PlusコンセンサスによるBTCハッシュパワー活用と、Coinbaseトランザクションを用いた非カストディアルな連携メカニズムについて、一次情報に基づきその正統性を論じる。
【結論】Bitcoinの「PoWの聖域」と直接融合する技術
Core Stakeは単なるステーキングではなく、Bitcoinマイニングの基盤であるCoinbaseトランザクションを活用し、非カストディアルな形でBTCのセキュリティをCoreネットワークへ融合させるエポックメイキングな技術です。
Core Stakeとは
CoreDAOのCore Stake。単なるステーキングと侮ってはいけません。これは、独立したL1(レイヤー1)ブロックチェーンであるCoreDAOが、Bitcoinとコンセンサスレベルで深く結びつくための、非常に巧妙かつ緻密なメカニズムです。
今回は、CoreDAO公式サイトの公開データをもとに、その技術的な深淵を覗き込み、なぜCoreDAOがBitcoinとの「マルチチェーン」と呼ぶべき存在なのかを考察していきます。今回記述する内容は本来広く拡散するべきことではないのかもしれません。が、このブログの読者は非常に限られていますし、大勢に影響を与えることもないと思えますので、Coreコミュニティのみで語られている内容をそのまま記述してみます。
1. Core IgnitionとCore Mission:長期にわたる「真のエアドロップ」
まず、次の図表を見てみましょう。
この図表はCoreDAOのトークン配分を示していますが、注目すべきはCore Ignitionという仕組みです。正式には「Core Ignition Drop」と名付けられており、これは単発のキャンペーンではなく、長期にわたる公式なエアドロップでした。
このCore Ignitionは非常に長い期間実施され、Season 2 Phase 1までに多大なリワードが配布されています。リワードは公式リキッドステーキングトークンであるstCOREで提供されました。これは、CoreDAOがプロジェクトとして、トークン配分図にあるTreasury(財務)などから原資を拠出していると考えるのが自然でしょう。
また、もう一つの仕組みとしてCore Missionがあります。これはプレ・イベントのMoltenMissionが終了し、現在は精算フェーズに入っています。MoltenMissionのリワードプールは50,000 stCOREとかなり大きな規模でした。Molten以降も、エコシステムに参画する各DAppsごとにミッションが開催されると予想されます。CoreDAOがコミュニティの活性化とDAppsへのインセンティブ提供にどれほど力を入れているかが伺えますね。
2. 数字で読み解くCore Stakeの現状:85%のBTCハッシュパワーがCoreに委任される事実
次に、Coreオンチェーンの各種数字を見ていきましょう。次の図表をご覧ください。
この図表はCoreDAOの現在の主要な指標を示しています。
- ①BTCハッシュ: DPoW(Delegated Proof of Work)側の数字。いまだに「眉唾もの」と考える人もいますが、その実態は驚くべきものです。「Core」というL1のネイティブなコンセンサスプロセスDPoWにおいて、全く別のPOW L1チェーンのブロック生成を司るハッシュレートの数値が関わっています。
- ②DPoSへのBTCステーキング総量: CoreDAOの独自コンセンサスSatoshi PlusにおけるDPoS(Delegated Proof of Stake)側への、ビットコインそのものの非カストディアルステーキング量です。
- ③BTCfi Ranking #1: CoreDAOが「Bitcoin Aligned Chain」のカテゴリーでランキング1位であることを示しています。
続いて、この図表はCoreDAOの現在の主要な指標を示しています。
- ③BTCハッシュレートのDelegate状況: 実に85%ものハッシュパワーがCoreに関与しているという驚くべき数字です。FoundryやZan NodeなどのBTCマイナーが存在しています。
- ④実際の現ラウンドにdelegate済みBitcoin blocks: 実際にBTCチェーンでマイニングされたビットコインブロックが、DPoSに委任された数です。概ね計算通りの結果が出ていることがわかりますね。
2026年7月現在、CoreDAOはBTC委任率85%以上を維持し、TVL(Total Value Locked)は数十億ドル規模に成長。Satoshi PlusコンセンサスはBTCfiエコシステムの基盤として確固たる地位を築いています。
3. Coinbaseが握る「見えない鍵」:マイナー環境に埋め込まれたCoreの正統性
これはValidatorのHash Depositを示す図表で、特に注目すべきはCoinbaseという欄です。なぜ、このCoinbaseという項目がそれほど重要なのでしょうか?
ここで、CoreDAOのホワイトペーパーに書かれている重要な一文を、再度噛み砕いて確認しましょう。
「ビットコインマイナーは、自身のハッシュパワーをCoreバリデータに委任する際、ビットコインブロックのCoinbase(コインベース)トランザクションに特定のデータを埋め込むことで、ビットコインネットワークとCoreネットワークの両方を同時にサポートすることが可能であり、これは非破壊的なプロセスです。」
これはどういう意味を持つのか?ビットコインブロックにデータを追記・改変する行為は、Ordinals、Runes、BRC-20、そして最新のBRC2.0といった商業的・投機的な目的で流行しました。これらのプロトコルは、画像やテキストといったデータをブロックチェーン上に「刻印(Inscribe)」し、デジタル資産としての価値を創出するものです。これはビットコインの非中央集権的な性質を利用した新たな試みであり、市場を賑わせましたが、その本質は「利益誘導型」のブロック活用と言えます。
しかし、CoreDAOのCoinbaseトランザクションへの追記は、これらのアプローチとは根本的に異なります。CoreDAOが利用しているのは、BTCマイナーがブロック報酬を受け取るために生成するCoinbaseトランザクションです。これは、マイニングプロセスにおいて最も重要かつ最初に処理されるトランザクションであり、BTCチェーンの公式環境であるBitcoinCoreやBitcoin Light Consoleといったツールで操作可能です。
Coreへのハッシュパワー委任情報をこのCoinbaseトランザクションに追記する行為は、単なるデータ刻印ではありません。これは、これまで「再生産性を持たない」とされてきたビットコインを、非カストディアルな(ユーザーが自身の資産を常に管理できる)形でステーキングに供することを可能にする、まさにエポックメイキングな技術的偉業なのです。
これにより、CoreDAOは単にビットコインのセキュリティを借用するだけでなく、ビットコインのマイニングという「PoWの聖域」と直接的に連携し、Bitcoinの歴史と技術的進化に新たな一章を刻むことになります。
Satoshi Plus コンセンサス 模式図
BitcoinマイナーのハッシュパワーをCoinbaseトランザクション経由でCoreバリデータに委任し、
DPoW(Bitcoin側)とDPoS(Core側)を融合させる仕組み
Coinbaseトランザクションの本質的な意味合いとは
Mt. Gox破綻以降、Bitcoinチェーン上でのアルトコインエコシステム造成や経済活動面の環境整備が進む中で、北米のCoinbaseが果たした役割は非常に大きいと考えられます。その過渡期には、現在では考えられないような超法規的な作業も行われていたと想像するのは難しくありません。BTCと各種アルトの流動性ペアやPoWマイニングにおける様々なトランザクションの中心に、Coinbase(この場合は取引所ではなく、マイニングにおける「Coinbaseトランザクション」を指します)が位置していると考えるのが自然でしょう。
つまり、CoreDAOは、Bitcoinが誕生し、そのエコシステムを形作った「神々」に認められている、あるいはその「神々」自身が深く関与しているプロジェクトと考えるのが理にかなっているのではないでしょうか。
結び
CoreDAOは、単なるEthereumのフォーク・チェーンや、流行りの「Bitcoin L2」とは一線を画す存在です。Satoshi Plusを通じてBitcoinのハッシュパワーと分散化を両立させています。
公式・参考リンクリスト
- CoreDAO 公式サイト: https://www.coredao.org/
- CoreDAO 公式ドキュメント: https://docs.coredao.org/
- CoreScan: https://scan.coredao.org/
- Bitcoin Core GitHub: https://github.com/bitcoin/bitcoin
- DefiLlama Core Chain: https://defillama.com/chain/Core
※本記事は情報提供を目的としており、投資判断はご自身の責任において行ってください。
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